社長あいさつ
調剤薬局は、処方せん調剤中心の時代を終え、新しい時代を迎えようとしております。処方せんに基づいて効率よく医薬品を交付することが求められた、いわば「モノ中心」の時代から、正確な情報提供やオーダーメイドの提案といった「医療サービス中心」の時代に移行しつつあるとともに、処方せん調剤だけでなく、セルフメディケーションの領域や予防の領域で地域の健康情報拠点となることが求められています。
その背景には、超高齢化の進行や国家財政の逼迫といった状況があります。 国民皆保険制度という、世界でも類を見ない素晴らしい医療保険制度も、存続が危ぶまれています。 医療の必要性は高まる一方、それを支える仕組みが追い付いていない、というのが我が国の現状ではないでしょうか。もはや、国や医師に任せていれば健康に長生きできる、という時代でもありません。自分で自身の健康を守る時代になってきた、ということです。こんな時代だからこそ、自分で健康を守る人のパートナーとして、薬局が必要とされているのだと考えています。
そんな時代にあって、フォーリアがどんな薬局を目指していくのかということについては、すでに父である先代より私の中にしっかりと受け継がれていると思っています。
私は、薬剤師の両親の背中を見て育ちました。旧浜松市馬込町(現在の浜松市中区中央2丁目)に父が開局した「マゴメ薬局」は、今ではほとんど見かけなくなった、いわゆる「町の薬局」として、医療品から生活用品までを扱い、地域の人達の生活の一部でした。父も、地域の「薬局の親父(というには若かったと思いますが…)」として親しまれていました。近所の人達が気軽に立ち寄って、健康の相談をしていったり、雑談しながら栄養ドリンクを買っていったりした姿を私は身近に見てきました。本当に地域の人達との距離が近い時代でした。そんな、生活の一部としての薬局、健康という大切なことを相談できる、信頼される薬局の姿が、私の中に原点としてあります。
私たちは、「人に優しい医療の実現を目指して、最高の薬局サービスを提供する」ことを使命として、時代に応じて必要とされるサービスを提供しながら、「人に優しい医療」という変わらない価値を追求していくことを目指しています。マゴメ薬局が開局した35年前と時代は変わり、薬局・薬剤師に求められるものも変化してきましたが、本当に大切にしなければならないものは変わらないはずです。その原点を忘れず、薬局フォーリアは、地域の皆様とともに歩んでいければと考えております。
代表取締役社長 曽布川洋平